月夜に浮かぶ月 Vol.3
寝返りを打つと、ぼんやりと人の顔が映った。エッと思いながら、目の焦点を合わせると、目の前に女性の顔があった。ボーッとした頭を回転させながら、昨日の出来事を思い出した。
友達と私の家にきた彼女は、私のいない間に家に泊まることになっていた。私が家に戻ると、昔から家族であったように見えた。3か月からの出張から解放されたせいか、あっという間に一日が過ぎた。
そう、確か彼女は妹と同じ部屋で寝ていたはずである。なぜここにいるんだろう。何にも手を出していないことを確認すると、そーっと外に出た。
資料を書くために図書館に行き、いろいろ資料をあさっていると、窓の外から見たことのある顔が見えた。彼女だ。確か、私の家には彼女のものは一切なかったが、白いワンピースにブランド物のバックを肩からぶら下げていた。サングラスの隙間からこちらを見つめていた。
これまでの経緯から、なんだか彼女とかかわりたくなかった。気付かないふりをしていると、ゴンという音が聞こえた。何の音だろうとさっき彼女がいた場所を振り向くと、彼女が図書館の窓をたたき始めていた。
そんな行為を止めるために、彼女の元に駆けつけた。
私が駆け付けると、彼女はとてもイライラしているように見えた。そして、すごい剣幕で、
「なんで、挨拶もしないでいちゃうの?信じらんない」
と、言いながら私の胸をたたき続けた。
何にも言い返せないまま、時が過ぎて行った。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


最近のコメント